廃食油石けんで作られた「もう一つの東京スカイツリー」

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廃食油石けん彫刻「空樹」と制作者の西川祥子さん

使用済み食用油の回収、リサイクル事業を営むユーズ(東京・墨田)は、東京スカイツリータウン・ソラマチで、11月15日から26日まで、東京スカイツリーをモチーフにした廃食油石けんの巨大彫刻アート「空樹(そらき)」を展示している。

「空樹」を制作したのは、武蔵野美術大学造形学部油絵学科の4年生西川祥子さんだ。全長約250センチメートルの彫刻アートを約3カ月かけて完成させた。「空樹」には、200リットルのドラム缶2本分、重さにして400キログラムの廃食油が使われている。

きっかけは、ユーズの染谷ゆみ社長が日光市で「わたらせアートプロジェクト」に参加する西川さんに出会ったことだった。西川さんが以前、180センチメートルの巨大彫刻アートを制作したことを知り、西川さんの力強い作風を気に入って、廃食油石けんの巨大彫刻アートの企画を持ちかけた。西川さんは廃食油石けんという普段は扱わない素材に興味を持ち、2012年5月にミニチュア版を作り、同年6月から「空樹」の制作に取りかかった。

西川さんは、「空樹」の制作にあたって墨田区が明治時代から続く油脂産業の町であることから、油脂産業の新しい形、循環型社会が根付き、空に向かって伸び続けるイメージを表現。力強い根と幹に対し、頂の枝に切り口から新たな産業が芽吹く可能性を表した。虹色の配色と星型の葉には東京の様々な自然や景色のイメージや希望や明るい将来を吸収して成長する願いがこめられている。

日本国内の一般家庭から出る約20万キロリットルの使用済み食用油の多くはゴミとして廃棄されたり、生活排水として河川に流されたりして、環境破壊の要因になっているという。ユーズが推進するリサイクルプロジェクト「TOKYO油田2017」では、一般家庭から回収した廃食油をバイオディーゼル燃料や石けん、飼料や肥料などにしている。

使用済み食用油はゴミではなく資源であり、家庭では小さな消費量であっても、大都市一つで見た場合それは大きな油田であるとユーズはとらえている。東京スカイツリーが伝統と最先端のシンボルであるなら「空樹」は伝統と認識変化のシンボルといえるだろう。(オルタナ編集部=副島久仁彦)

TOKYO油田2017OFFICAL SITE

2012年11月23日(金)17:17

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