ドイツ太陽光パネル新設が過去最高、原発23基分に

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フライブルクのサッカースタジアムで。自然エネルギーを推進するフライブルクの団体フェーザの理事ニコル・レーマーさん

ドイツの太陽光発電設備の容量が2012年末、32400メガワットを達成した。天気が良ければ太陽光発電だけで、原発23基分をまかなえる計算となる。

2012年は毎月、買い取り価格が下がったため、駆け込みで設置が増加。2012年の新設は7630メガワットと過去最高となった。

ドイツは2000年から自然エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT制度)を導入している。1キロワット時あたりの太陽光発電の買い取り価格は当初49セント(53円)だったが、現在は17セント(18円)と下がっており、20年間固定価格となる。

太陽光発電は、この3年間で22500メガワット増と急激に伸びた。現在はドイツの電力の5%をまかない、昼間のピーク時の電気料金値下げに貢献している。2013年の太陽光発電の買い取り助成額は、約100億ユーロになると見込まれる。

ペーター・アルトマイヤー環境大臣は2012年6月、各州と「太陽光発電容量が52000メガワットとなったら、太陽光発電への助成を撤廃する」ことを同意。2015年には助成打ち切りが予想されている。

もともと固定価格買い取り制度は、自然エネルギーを市場に広めるために導入された。いずれは助成なしでも自由競争下で生き残ることを目的としている。その意味では太陽光発電は設備コストも下がり、自立の時期にきたのだろう。

電力市場が自由化されているドイツでは、電力料金は2012年1キロワット時あたり平均26セント(28円)だったが、2013年には12%上昇したという。そのため将来的には売電より、自家消費が経済的になってくるとの見方が強い。

「ドイツの自然エネルギー政策は失敗した」との報道がときどきみられるが、急激な伸びに対応が後ろ手に回っているのが原因だ。

自然エネルギーを推進するフライブルクの団体フェーザの理事ニコル・レーマーさんは「市場拡大には、固定価格買い取り制度は必須。設置容量を規制すると電力買い取りの保証がないため、伸びは鈍る」と話す。

昨夏のアンケートによると、自然エネルギー利用を重要だと思うドイツの市民は93%。国民の総意である脱原発を、いか実現するか。自然エネルギー推進に向けて、壮大な試行錯誤はまだまだ続く。(オルタナ編集部=ハノーバー・田口理穂)

2013年1月10日(木)11:59

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