編集長コラム) 動物実験廃止で資生堂を動かした女性たち

■法律だけの順守では不十分

CSRの観点からも、企業が社会課題に正面から取り組まない場合、NGO/NPOや市民からの批判が高まる恐れがある。

日本企業は「コンプライアンス」を法令順守と誤訳し、「ただ法律を守っていれば良い」と高をくくっているフシがある。

コンプライアンスの真髄は「社会との対話」であり、社会が何を求めているのかを対話を通じて汲み取り、前向きに対処していくことだ。

これからの社会では、憲法や法律など「ハード・ロー」を守っているだけでは、企業は評価されない。市民感情や消費者心理を含めた「ソフト・ロー」を企業が視野に入れなければならない時代が、日本にもやって来た。

今回の資生堂の動物実験廃止は、日本の市民運動が企業を動かした、希有な事例になった。と同時に、CSRの観点からも、大きな「一里塚」になるだろう。(オルタナ編集長 森 摂)

特定非営利活動法人 動物実験の反対を求める会(JAVA)サイト
◆「ウサギを救え!化粧品の動物実験反対キャンペーン」サイト

 

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..