日本の温暖化対策が後退――環境保護団体が強い懸念

■ 「基本法の制定」から「現行法の改正」に後退

温対法は、「京都議定書」で交わした世界の温暖化防止の約束を果たすために、1998年に制定された法律だ。しかし、京都議定書の第一約束期間(2008年~2012年)内での対策を定めたもので、中長期的な取り組みの柱となるものではなかった。

そこで、民主、自民、公明などの与野党は2010年、それぞれ独自の「基本法案」を国会に提出。2020年~2050年という中長期的な視野で温暖化対策に取り組むための基本法を制定する動きが起こった。だが、政治の混乱の中で同法案は廃案してしまった。

現行の温対法は、3月末で終了する京都議定書の目標達成計画(2008~2012年度)に基づいたもので、新たに2013年度以降の計画を策定する必要があり、現政権は温対法の改正を決めた。

これに対し、WWFジャパンは、「『基本法の制定』から『個別法の最低限の改正』という方向性の変更は、気候変動対策の位置づけが日本の中で下がってしまったとの印象をぬぐいえない」と強い懸念を表している。

■ 中長期の削減目標を明記せよ

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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