日本で高放射線が検出される地域に子どもが住んでいることについて、スラーデクさんは「細胞分裂が活発な子どもには、特にリスクが高い」と警告。チェルノブイリの子どもたちを支援した経験から、日本でも放射能から子どもを守るように訴えた。
1986年のチェルノブイリ原発事故により、約2000キロ離れたドイツでも、放射線が検出され、南ドイツではいまだに野性のキノコやイノシシから汚染が見つかっている。
当時、全国各地で反原発運動が起こったが、市民がエネルギー組合を作って起業し、送電線買い取りにこぎつけたのはシェーナウだけだ。現在でも同社は反原発運動のシンボルでもあるとともに、ドイツのエネルギーシフトに寄与している。
4月には、日本から60人の一行が同社の視察に訪れるという。シェーナウ電力会社の詳細については、『市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』(大月書店)が詳しい。(オルタナ編集部=ハノーバー・田口理穂)