冬でも熱い! 北米で寒冷地仕様の自転車が人気

本拠地があるミネソタ州の冬の寒さを武器に、冬のスポーツ自転車用品専門ブランド『45NRTH』を立ち上げたブランドマネージャーのデヴィッド・ギャブリーズ氏

「ミネソタ、ウィスコンシン、アラスカなど、これまで冬に自転車に乗らなかった厳寒の地で、ウインターサイクリングという新しい分野が確立されつつある。その要因のひとつに、10年前に生まれた径26×幅4インチのタイヤを履いたファットバイクという新種の自転車の誕生がある。このファットバイクの登場により、多くのサイクリストが冬でも自転車に乗れることに目覚めたのだ」

45NRTHのブランドマネージャー、デヴィッド・ギャブリーズは、冬のスポーツ自転車市場が広がるきっかけについてそう話した。

ファットバイクの歴史は、2004年に「サーリー」(アメリカ・ミネソタ州)が幅65ミリという極太のリム(※)を世界で始めて量産したときにはじまる。翌年には専用のフレームとタイヤを発売。

一般的なマウンテンバイク・タイヤの2倍の幅があり、しかも独特の構造を持った極太タイヤとリムを合わせて使うことで、空気圧を1気圧以下に落としても走行できる。ただでさえ幅の広いタイヤの空気を抜くことで接地面を増大。これにより滑りやすい雪や氷の上など、従来の自転車では走れなかった場所の走行を可能にした。

※リム=車輪を構成する円環状の部品。外周部にタイヤを装着する

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山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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