「欧州企業と人権(3)人権デュー・ディリジェンス」――下田屋毅の欧州CSR最前線(27)

欧州人権コンサルティング会社トエンティフィフティ・ディレクターのルーク・ワイルド氏は、「人権影響評価をしている時に、ステークホルダーとの一般的な会話が助けになる時もある。多くの関係者に様々な観点から話を聞き、その中で見えてくるものもある」と話す。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・オランダが発行している「ビジネスと人権の尊重の方法(企業のためのガイダンスツール)」によると、人権影響評価のポイントは以下のとおり。

1)人権への影響を理解する
2)影響評価の様々なプロセスを区別する
3)人権リスクマッピングの実施
4)既存のリスク管理機能に関与させる
5)人権へのリスクを特定する
6)リスクを軽減する行動の優先順位付けをする
7)評価結果を事業運営に反映させる

「国連ビジネスと人権に関する指導原則」で求められている人権に関する考え方を確認した上で、歴史的、文化的、宗教的、人種的な背景などその地域独特のものがあることを考慮し、日本で考える人権と他国で考える人権との違いを認識し、理解を深める必要がある。

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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