中学生まで普通学級で過ごした斉藤さんは、高校でろう学校に入り、生まれて初めて自由に言葉を交わす感覚を知る。「『もっと人を知りたい』と痛烈に思いました」(斉藤さん)
写真を撮ることを通じて、さまざまな人に出会える――。写真家を志したきっかけだ。
「以前は、『障がい』『マイノリティ』であっても区別なく命はあるし、むしろより強い生きる本能を持っている、そんなふうに思って撮っていました。けれど、今はもっと分け隔てなく『存在』を撮りたい。世界の様々な言葉による区別を、せめて写真の中でも見えなくさせたい」
同時開催として、筋ジストロフィーの詩人・岩崎航の詩集『点滴ポール』に斉藤さんが寄せた写真の展示も行われている。
入場は無料。子ども歓迎で、ベビールームもある。
会期は6月2日までで、11時から20時までオープンしている。「車椅子、盲の方は連絡をいただければ、介助経験者を手配できる場合がありますが、最終的には自己責任ということをご了承ください」とのこと。(ライター・遠藤一)
1 2