米サステナブル・ブランド会議でも「協働」「ストーリーテリング」「CSV」に脚光

1)サステナビリティの再定義とは

「サステナビリティ」の考え方における企業ごとの取り組み、CO2の低減、紛争鉱物への対応など、個々の局面では大きな飛躍や改善が見られた。その一方で「競合他社や取引先もやっていないのに、自社だけサステナビリティに投資した場合のリスクはどうなるのか」という問題は常につきまとう。

誰もがリスクを怖れることなく投資できるようにするためには、それがシステム全体の「当たり前」にならなければならない。

では、サステナビリティをシステム全体の「当たり前」にするにはどうしたらいいのか。そのために、個々の企業は、あるいはパートナーシップという形で何ができるのか。全体と構成各パーツの「あり方」の再定義が、議論の一つの核になった。

企業の目的とは何か。資源を取り込んで最終的に廃棄物になるモノをつくることなのか。それとも、「文化」の一端を担う有機的な集合体なのか。だとすれば、その役割と可能性は。「バリューチェーン」とは――。

会場では、こうした大きなテーマにきちんと取り組むことが、サステナビリティを企業やブランドの価値として効果的に取り入れていくためには不可欠だ、という認識で一致した。

また、「Co(協働)」というキーワードが会場で繰り返し聞かれた。大きなテーマに対して共感する企業・組織・個人が、協力して同じ目標に取り組むことが、バリューチェーン、サプライチェーン、経済全体を根底からボトムアップできるような、新しいシステムをつくりだす原動力になりうるとの認識が広がっていた。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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