NGOとの協働が企業の信頼性を高める――下田屋毅の欧州CSR最前線(30)

6.企業とNGO間のコミュニケーション計画の策定
お互いがどのようにコミュニケーションを図って、エンゲージメントまで実施していくことが可能となるか、どの媒体でコミュニケーションを図っていくことがお互いにとって実施しやすいかを確認し、コミュニケーション計画を立てることが重要である。定期的なミーティングの開催は、パートナーシップが双方にとって有益であるか、また、今後期待する結果を出していけるかを評価するための方法としても位置付けられる。

7.NGOとの関係の構築プロセス、相互理解/発展の計画の策定
NGOとの協働は一朝一夕に結果が出るというものではないし、それぞれの条件、環境、興味、立場は変わっていくものである。時間をかけて双方の理解を進めて、とともに進化する関係を構築することが大切だ。

8.協働事業の評価のためのベンチマークの確認
企業とNGOは、パートナーシップの評価・見直しについても考慮が必要。契約・覚書に再評価の項目を入れることも必要だ。

市民社会における最先端のニーズというのは絶えず変化し多様化している。NGO・NPOはその社会のニーズの最先端で活動をしており、NGOとの協働はその社会の最先端ニーズの変化を内部化することができる。自社がなぜNGOと協働するのか、その理由を明確にするとともに、上記を踏まえNGO・NPOとの良好なパートナーシップの構築を検討していただきたい。(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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