仏で人気、モダンで楽しいフェアトレードショップ

世界金融危機による景気後退が深刻化するフランスで、フェアトレード市場が成長している。その人気を牽引するのがフェアトレード商品のセレクトショップ「アルタームンディ」だ。同社ディレクターのチボー・リンゴ氏(29)に話を聞いた。(取材・文 在パリ=菊地広子)

 

ディレクターのチボー・リンゴ氏

現在フランスで10人中9人がフェアトレードをポジティブに評価しているが、実際に定期的に購入している人は10人中3人にとどまる。「消費を通して社会貢献できる」というフェアトレードの考え方に賛同しても、実際に食料品やインテリア用品などを購入する際に、同じ値段でおいしさやデザインが劣っていたら、あえて選ぶのは難しいというのが消費者の本音だろう。

■ 「美しさ」が仕入れの最優先基準

今フランスでは、ホームインテリアとファッションのフェアトレード・チェーン店「アルタームンディ」が人気だ。同店は、2003年設立で、フェアトレード=ヒッピー風という従来のイメージから抜け出るために、購買欲をそそる魅力的なエシカル商品を揃え、楽しいフェアトレードショッピングを提案している。

エコでモダンなインテリアのパリのフラグシップ

ディレクターのリンゴ氏は、「仕入れ基準は、デザイン、価格、エシカル。美しさが最も重要」と言い切る。

仕入れ先は、世界のフェアトレード商品輸入会社やアートクラフト工房のほか、数年前から、衰退の道を辿る国内の伝統地場産業を支援するために、織物、靴などの地方特産品も扱っている。

パリのトレンド地区にあるフラグシップ店は、環境配慮型(エコ建材、省エネ)のモダンなインテリアが特徴で、2010年にはフランスの有名なショップデザインコンクールで優秀賞を受賞している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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