「選んで食べれば魚は残せる」――MSC(海洋管理協議会)CEOルパート・ハウズ氏インタビュー

――活動資金はどのように得ているのでしょうか。
資金源の半分は支援、つまり賛同組織などからの寄付で、残り半分がラベルの使用料です。漁業者が支払う審査料は全く入りません。認証制度においては、審査と認証の主体を明確に分けることが重要です。科学者が第三者の監視のもとで漁業を厳密に審査してレポートを公開します。

さらに流通・加工側にもMSC商品を扱うためのCOC認証制度を設けて、ラベルの不正使用を防止しています。透明性と公平性を確保するためのチェックを徹底して、信頼を得てきました。

――MSCによって実際に資源量が回復した例はありますか。
欧州のマクドナルドが、メニューに使うすべての魚を2011年からMSCの魚に切り替えました。例えば東バルト海のタラ漁業は、MSCを取得してマクドナルドと契約した結果、持続可能な形で漁を継続できて、資源枯渇の危機を脱しました。

2013年1月には、米国のマクドナルドでも同様の取り組みが始まりました。欧州は7000店舗ですが、米マクドナルドの店舗数は、その倍です。それだけMSCのロゴが消費者の目に触れるチャンスも増えたのです。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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