米国の産休制度、職場復帰が簡単に--USワーキングマザー考(1)

■ 「お互い様」の気持ちで女性も男性も出産を祝福

ロブレスさんは職場復帰後も、理解ある女性の上司のおかげもあり、終業時間きっかりで帰宅することなどについても、理解が得られているという。

だが、実際、米国では産休や育休を取る人に対して、周囲はどのような反応を示しているのだろう。

ロブレスさんは、「ビッグ4にいた時も、女性のスタッフが産休を取ると話した場合、みんな喜んで、社内で『サプライズベビーシャワー』(臨月の妊婦を招いて開くサプライズパーティ)を開くほどでした」と話す。

「男性のスタッフたちも、私の前の上司においては、4人の子どもを持つ父親だったので、子どもを作ることに対し、とてもポジティブに受け止めていました」

「転職先では、もともと産休を取る人の代理として入社。彼女が復帰した後も、私はそのまま継続的に仕事を続け、さらに1年後、今度は自分が出産を経験しました。その時も周囲からサポートを受けられました」

「仕事を一時的に離れるために、自分の業務を他の人に引き継がなくてはいけませんが、少なくとも3カ月ほど前から、引き継ぎ事項をまとめて伝えるような形を取っていました。ビッグ4にいた頃は、産休中の同僚の仕事を引き受けることも1度ではありませんでしたが、それで多少業務が増えたことは、お互い様という気持ちで特に嫌な気分になったことはありません」

ロブレスさんのケースは、会社の規模が大きいゆえの贅沢な環境なのかもしれない。実際に、小規模の会社にとって、一人の産休が、会社全体を大きく乱す場合もある。またそのポジションの重要さゆえに、会社運営全てにかかわるフローに問題が起きるケースもあるだろう。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..