2013年2月、環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。同シンポジウムは、指定後初めての「土用の丑の日」に開催され、会場の東京大学一条ホールには、平日にもかかわらず221人が来場した。
書籍化は、発行元の青土社がEASEC に提案して実現した。質疑応答や総合討論、会場外のポスター発表の内容なども盛り込み、当日の様子がほぼ忠実に再現されている。
講演者は、日本大学の塚本勝巳教授、三重大学の勝川俊雄准教授、水産総合研究センターの田中秀樹氏、『ウナギ――地球環境を語る魚』(岩波新書)を著した共同通信の井田徹治記者といった研究者や専門家に加えて、水産庁、環境省、関連団体など計16人だった。
それぞれの立場から、ウナギの現状や資源量の推移、保護対策、完全養殖などについて発表した。浜名漁業協同組合、日本養鰻漁業協同組合連合会、全国鰻蒲焼商組合連合会も、現場の声を伝えた。