東京大学の海部健三・特任助教は、会場やツイッターからの質問や意見を交えつつ、シンポジウムを進行し、議論を盛り上げた。薄利多売や消費者意識が問題なのに、大手スーパーが参加していないという指摘に対しては、十数社に招待状を送ったが、一切返事が無かったことを明かした。こうしたやりとりも同書に収録されている。
ウナギ養殖に必要な幼魚(シラスウナギ)は、4年連続の不漁という前例のない状況に追い込まれている。ニホンウナギ以外の「異種ウナギ」も、主に日本の需要によって世界的に減少傾向にある。海部氏は、あとがきで、「彼らの未来を握っているのは、我々人間である」とまとめた。
EASEC は、東アジアの共有財産であるニホンウナギの保全と持続的利用のために、関係各国との調整を進めている。12月1日には、第16回EASEC 国際シンポジウムを都内で開催予定だ。