「カジュアルで気軽に参加できる楽しいデモを日本でも」。特定のテーマを設けず、市民が「群衆」となり街頭に登場することで社会に意思表示を行う、という趣旨のデモが7日に東京・渋谷で行われた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
「大デモ」と名付けられた今回のデモは、参院選に出馬して「選挙フェス」で注目を集めたミュージシャンの三宅洋平氏が中心に呼びかけた。デモは全体で主張を統一せず、何を訴えるかは個々の参加者に委ねられているのが特徴。プラカードなどを持たず、ただ歩くだけの参加も可能だ。
三宅氏はデモ出発前、「ベルリンやパリの(楽しい)デモを見ていて、ああいうデモを日本でもやってみたい」と開催への思いを語った。
前日の6日には、大多数の国民の懸念をよそに特定秘密保護法案が参院本会議で可決。三宅氏は「デモに何の有効性があるかとよく聞かれるが、(秘密保護法に対する)ここ数日の流れを見ていても、デモの有効性は間違いなくある。ドイツ人に『民主主義が多数決のパワハラになった時こそ国民が立ち上がる時だ、だからデモがある』と言われた。国会が多数決に陥ったら、ぼくらは本当の多数決を見せなければいけない」と訴えた。
デモは代々木公園を出発して渋谷駅周辺を一周。特定秘密保護法可決への抗議や脱原発を訴えるプラカードが見られる一方、大半の参加者は「手ぶら」。シュプレヒコールもまばらだ。中にはデモ隊列の先頭でダンス音楽などを演奏する「サウンドカー」の音楽に引き寄せられるようにして、途中からデモに加わる人も。デモは関係者によれば5500人が参加した。