「今出店することは、僕たちが商売を始めた震災前とは状況が違う。ある程度のノウハウを情報共有して一緒に大きくなっていきたい。そうして品質が良い小さな店が残って増えていくことは街の宝になる」(藪内さん)
質の良い店が増えることは街の魅力になる。それが呼び水になって福島は面白いから出店しようという人が増えてくる。それが好循環を生み、街自体がさらに活性化されていく。
藪内さんは「その種まきを僕たちがやらなくては」と力を込める。
30代になって多くの人とつながりができ、やりたい事が形になり、経営も少し分かってきた。良い事を次々発信し、他業種から刺激を受けて切磋琢磨することが次につながる。
「若い人にライフクは、いつも何かしていて楽しそう、自分もそうなりたい、と思ってもらえるよう努力しなくては。そうしていくことで街が元気になっていく」(藁谷さん)
■ 人とのつながりで活動資金を得て、一般社団法人化へ
もともと、助成金や支援を受けずに活動できなければ長続きしない、と考えていたので、資金難で自腹をきることもあり、苦労した。
二人の間で「やりたい事」は明確だったが具体的な形でなく、他のライフクメンバーや、取引先に伝わらなかった事も一因だった。
だが、友人・知人に支えられた。東日本大震災発生後には四国の友人から手紙と寄付金が送られ、号泣したこともある。