[CSR]九州から日本の農家を元気に――副生バイオマスの活用

■「九州力作野菜」ブランド

副生バイオマスを活用した堆肥で生産された農産物ブランド「九州力作野菜」も誕生した。2012年10月にイオン九州株式会社と連携し、「九州力作野菜・果物」プロジェクトを開始。このプロジェクトでは、家畜のふんと副生バイオマスの混合堆肥を使用している。九州の農業を元気にするバリューチェーンを関係者全員で「力作」することを目指す。

副生バイオマスを混ぜた堆肥を使用することで、キャベツの糖度が13%、アミノ酸含有量は63%も増加したという実験結果も出た。副生バイオマスを活用した堆肥は質が良いだけではない。低炭素につながるのだ。

副生バイオマスは水分を多く含む粘土状であるため、そのまま畑にまくことができない。これまでは年間600kLの重油を燃焼させ、乾燥し、肥料原料にしていた。

その代わりに堆肥の発酵熱を利用する。堆肥と副生バイオマスを混ぜ合わせることで、温度が約70度まで上昇し、1カ月かけて乾燥していく。これにより、CO2排出量2千tを削減するとともに、重油削減分の利益を副産物の安価提供に還元できる。

この方法は、味の素高橋さんが、重油のコストとCO2排出量を削減する方法を調べていたところ、宮崎のニンジン農家が教えてくれたという。高橋さんは、「発酵は日本の文化。この取り組みを横展開し、全国の農業を元気にしていきたい」と力を込める。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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