■学校給食は変えられるか
イベントの後半では、参加者がそれぞれの興味のあるテーマに沿ってグループに分かれて話し合いの場が持たれた。
避難者の受け入れ支援をしているグループでは、受け入れ支援にかかわる課題が話し合われた。共通の悩みは、資金不足とボランティア対応。「ある所はボランティアが足りず、ある所は余っていることが分かったので、これからは情報共有していきたい」と話した。
運営スタッフの井寺喜香さんは、「自治体によって親の学校給食の不安への対応が全く違う。このグループでは、給食に不安だが行政とどうかかわっていいのかわからない、という未就学児の親に、これまで市民が行政を変えてきた成功事例をシェアできた」と話した。
給食に不安を持つ親たちが協力し合い、給食の放射能測定や放射能の検出されやすい原材料の産地変更について、行政や学校の校長や栄養士に掛け合って成功させてきたとう。
イベント終了後、放射能問題に関心の低かった会社員の夫を説得し、家族全員で初めて参加した主婦の菊永恵妃さんは、「震災の後は世の中の事に無頓着に過ごしていたが、2人目を妊娠した2年ほど前に何かおかしいと感じて自分で調べ始め、放射能のことも見過ごせないと思った。同じような問題意識を持つお母さんたちとも話せて、本当によかった」と話した。
夫の俊亮さんは「子どもの尿からセシウムが検出された話をテレビで見たことはあったが、別の参加者の親から自分の子どもの話として生で聞けたのは大きい。今後、自分の子の尿の測定や移住することも検討したい」と話した。
事務局の中山瑞穂さんは「妊娠や出産、子どもの入園や入学などがきっかけで、初めてこの問題に疑問を持つようになった母親が潜在的に多いのではと感じていた。会のホームページをわかりやすく改変したが、今回は初参加者が予想以上に多かった。今後もこういう場が必要だと感じた」と話した。