[CSR]ヨーカ堂の「顔シリーズ」が13年目、生産者とのつながりが生む食の安全

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大手スーパーのイトーヨーカ堂は、生産者と消費者をつなぐ商品群として、野菜、果物、肉、卵、魚、加工品の各分野で「顔が見える食品。」シリーズ(以下、顔シリーズ)を展開している。今年で13年目に入り、対象の青果は合計188品目にもおよぶ。青果部シニアマーチャンダイザーの高橋幸氏に今後の課題や抱負を聞いた。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

■「顔」が見えることで、責任感も

 

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「顔が見える食品。」シリーズのトマト。顔のイラストと二次元バーコードが付いている

――「顔が見える」ことを実現するために、どのような工夫をされていますか。

栽培方法や土づくりにこだわる農家との出会いが広がり、現在は5000人を超える生産者と契約しています。それぞれの人柄を伝えるため、商品パッケージには、写真より親近感がわく「顔のイラスト」を表示しています。

顔シリーズには、栽培履歴や生産者のおすすめレシピなどをご覧いただける携帯電話用の二次元コードも付けています。1週間で最大2万件のアクセスがありますが、多くは企業や大学、農協などで、消費者からの反響はわずかです。

それでも、ある生産者さんは、旅先で「あ、○○さんですね!」と名指しで声をかけられたそうですから、顔イラストや店頭の動画や看板で覚えてくださっているお客様もいるのでしょう。

多くの生産者は、顔と名前を出すことで「良い物を入れないと恥だ」と責任を感じてくれています。10年以上が経ち、当社と信頼関係で結ばれている生産者は、名札を付けて朝から夕方まで店頭で接客する月1回の「顔が見える野菜。フェア」にも、積極的に来てくれます。

――「顔シリーズ」ブランドの割合はどのくらいですか。売り上げにもつながっているのでしょうか。

青果部門では現在、「顔が見える野菜。果物。」が合計188品目あります。

「残留農薬等に関するポジティブリスト制度」が始まった2006年前後は、残留農薬に関する報道も多く、世間の関心が高まっていたので、売り上げが伸びました。ここ数年は微増レベルです。

これは生産者開拓のペースともほぼ一致しています。179店舗のうちほとんどの店舗が集中している首都圏では、すでに主力品目の開拓が一定水準に達しています。今の関心は、品目の拡大と、首都圏から遠い地方の農家でどう開拓するか、にシフトしつつあります。

現在、売場全体で顔シリーズは2割強を占め、今後も増やしていく予定です。ですが、量や価格重視のお客様がいることも事実ですから、青果すべてが顔シリーズになることはないでしょう。

基本は、全商品すべて安全・安心ですが、生産履歴まで公表できる顔シリーズは、増えても4割程度ではないかと考えています。

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2014年8月8日(金)12:10

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