オルタナ38号(全国の書店で発売中)全ダイジェスト

「魂を解き放て!」は、社会起業大学の田中勇一学長による連載です。ソーシャル・ビジネスでは「人を救いたいのか、自分を救いたいのか」を問われます。「過去の自分を救うためのビジネスでは人から共感は得られない。過去の体験を糧に『今の自分』を輝かせよ」という指摘でした。

「ソーシャルコミュニケーション最前線」ではノーベル平和賞のモハメド・ユヌスさんに、ソーシャルデザイナーの福井崇人さんがインタビューしています。ユヌスさんは「ビジネスで社会的インパクトを高めるためには、セルフィッシュネス(私)ではなく、セルスレスネス(無私)の部分を前面に出すことが大事」だと強調していました。

世界のソーシャル・ビジネス「アフリカ編」では、ケニアで日用品を販売するキオスク(雑貨屋)にソーラーパネルを設置し、未電化地域の住人に携帯電話やLEDランタンの充電や貸し出しを行なうビジネスを紹介しています。事業主体は日本企業のデジタルグリッドソリューションズ(東京・文京)とのことです。

世界のソーシャル・ビジネス「米国編」では、米国で最も有名な若手起業家であるトニー・シェイ氏がCEOを務めるザッポス社。2009年にアマゾンが買収したが、その理由は「ザッポスの顧客対応を学ぶため」だとされています。

トップインタビューシリーズ「オルタナパーソン」では、第一特集でも紹介したザ・ボディショップ(イオンフォレスト)の福本剛史社長に登場いただきました。福本社長によると、同社は「経済的価値」と「社会的価値」の両立を目指し、「アニータ・ロディックが提唱したバリューズ」(行動指針)に基づいて行動しているそうです。

ただ、「日本のザ・ボディショップとして、本国の指示に従ってブランドを発信するだけではなく、日本独自のバリューズ活動を模索している」そうです。その一つが、東日本大震災の「サクラチャリティプロジェクト」です。

「エコユニット訪問記」は大阪府吹田市の「ブランシェス」を取り上げました。こども服企画製造販売の会社で、寄付金付き商品を通じて、サンゴ礁の再生に取り組んでいるとのことです。

田坂広志さんの「オルタナティブ経営論」では、日本型経営が重視する「目に見えない四つの報酬」に言及されています。「仕事の働き甲斐」「職業人としての成長」「人間としての成長」「仲間との出会い」の四つです。詳しくは誌面でご覧下さい。

田口ランディさんの「エゴからエコへ」では、3年前から長野県大町市の木崎湖畔で開催している「原始感覚美術祭」を紹介しています。ランディさんと小中の幼なじみである彫刻家ケン・ヒラツカさんが参加するということで、見学された様子を伝えておられます。

第二特集は、オルタナ副編集長の吉田広子による「ESD 次の10年は地域との連携カギ」です。今年で10年目のESD(持続可能な開発のための教育)は、日本や日本企業に十分浸透してきたとは言いがたい状況の中で、次の10年に向けての展望を報告します。

「農業トピックス」(西村ユタカさん)では、「ネオニコチノイド系殺虫剤はミツバチ減少の要因」と題した記事がありました。報告会では、俳優の菅原文太さんが「相手はゴジラのように巨大な存在だから、ジワジワと攻めていこう」と発言したとのことです。

徳江倫明さんの「日本農業 常識と非常識の間」では、「表土」の力で放射能と「付き合う」と題し、福島県内で有機農業に取り組む人たちを紹介しています。福島の有機農業者は放射能を敵とすることなく付き合い、その特性を見極めながら坦々と農業の復活に向けて進んでいるとのことです

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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