[CSR]ワイン1本の販売で難民支援食10個相当を寄付――シダックスが系列のレストランで

「Heart&Smile」のワインはシダックスが推進するソーシャル・マーケティング(社会問題解決と事業活動を融合する活動)の主旨に賛同したチリのワイナリー・アギーレ社が提供、ラベルは俳優・画家の片岡鶴太郎氏が描いた
「Heart&Smile」のワインはシダックスが推進するソーシャル・マーケティング(社会問題解決と事業活動を融合する活動)の主旨に賛同したチリのワイナリー・アギーレ社が提供、ラベルは俳優・画家の片岡鶴太郎氏が描いた

シダックスは10月10日から31日まで、東京・渋谷にあるレストランで、「1ボトル10meal」という難民支援の取り組みを実施している。チャリティワインボトル1本が売れるごとに500円をNPOに寄付し、1個50円の栄養強化食品を10個、途上国の難民キャンプなどに送る仕組みだ。(オルタナ経営企画室=佐藤綾子)

このチャリティを展開しているのは、シダックスが運営するレストラン「PATINASTELLA」(パティナステラ)。「Heart&Smile」という3000円のワインボトルを1本購入するたびに、500円(50円の栄養強化食品を10個)を難民支援のために寄贈する。

このプロジェクトは、特定非営利活動法人UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所・日本委員会)への寄付を通して行う。UNHCRの檜森事務局長によると、世界の難民はUNHCR設立以来最大の規模に達しており、庇護(ひご)申請者、国内難民を含めると5000万人を超えたという。

特にシリア、イラク、ウクライナ、パレスチナ、中央アフリカ、南スーダンなどで紛争による大量の難民が発生し、中でもシリアでは国民2000万人のうち半数の1000万人がトルコやイラク、ヨルダン、レバノンに避難せざるを得ない状況にある。その多くが女性や子どもであり、特に幼児や成長期の子どもは、極度の栄養失調のために生命をも脅かされる。

難民向け栄養強化食品1個の熱量は500kcalで、小児が1日に最低限必要な栄養成分を取ることができる。体力消耗状態にある子供にも食べられるようペースト状にし、ピーナツ味を基本に、甘みと塩気も加えた。

シダックスは1997年以来、UNHCRへの支援を続けてきた。今回の「1ボトル10meal」以外にも、カラオケで1曲歌うごとに10円を寄付するプログラムなど、複数のチャリティを実施している。

今回の「1ボトル10meal」キャンペーンは、シダックスが、「渋谷ワインストリート」とも呼ばれる神山町商店街(東京・渋谷)とともに、地域活性化イベント「神山ワイン祭り」を実施したのに合わせた。

シダックスの志太勤一社長は「私たちの強みは、お客様との接点が多いこと。顧客も巻き込んで難民の支援活動を継続して行きたい。また、商店街とともに活動を続けることが地域の活性化につながる。事業活動を通して社会に健康を還元するソーシャルウェルネス企業を目指す」と話した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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