両立が得意な女性こそ社会起業家を目指せ[田中 勇一]

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
このエントリーをはてなブックマークに追加

田中勇一2

日本の企業はまだ男性社会のところも多く、女性の社会進出がなかなかうまくいっていません。同時に社会は、女性の力を生かし切れていないのではないでしょうか。私は、女性こそが両立能力に長け、幅広い領域で事業を進めることに向いていると考えます。そこで、社会起業家という働き方を提案したいと思います。(社会起業大学学長=田中勇一)

女性は料理をするときに複数の作業を同時並行的にできるそうですが、男性は同時並行で料理をするのが一般的には苦手だそうです。

実際のところ、例にもれず私もそうです。ごくたまに家で料理を手伝うときには、一つの鍋に集中しすぎて、お肉を焦がしてしまったり、煮込みすぎてしまったりしてしまい、妻や娘に怒られることが多いのです。

一方、女性から「子育てと仕事の両立は難しく、どうしたらいいか」といった相談を多く頂きます。こうした相談を受けた際に、私は必ず料理の話を例にとって、女性は同時並行的に物事を進めるのがとても得意であることを話します。子育てと仕事の両立は、女性だからこそ必ず実現できることを伝えているのです。

実際、私のまわりにも、保育所や学童保育を上手く活用したり、家族と上手く連携したりしながら、仕事でもしっかりと実績をあげている女性がいます。そういった女性を見ていると、やはり「母は強し」と心から思いますし、女性の可能性を感じます。

■ 就業システムの変更を

この同時並行的に進められる女性の力を、社会が上手く生かせているのかについて、私は甚だ疑問です。そもそも、一つの会社の中で着実にキャリアを積み上げていく――。このシステム自体が男性的であることを、皆様お気付きかと思います。

一つのことに集中した方が結果の出る男性には、絶好の就業システムになっているのですが、仕事や家庭そして社会、それぞれを重視し、調和を重んじている女性にとっては、あまり適していないシステムになっていると思います。多くの女性が管理職になりたくない理由もここにある、と私は思っています。

つまり、女性の社会進出を促していくためには、既存の就業システムを変更し、もっと働き方や働く場所などについても柔軟に選べるようなシステムを構築していく必要があると考えています。

企業側も、社員の副業やボランティア活動も積極的に認めるなど、個々の働き方について選択できる自由を与えることを意識する必要があると思います。

個々人のやりたいことや問題意識、さらには家庭環境にあった働き方が選べる社会になるためにも、企業側もそして個々人も創意工夫が必要だと思います。

新しい就業システムづくりに取り組んでいくことで、女性も働きやすい、より良い社会が実現するのです。

ちなみに、社会的課題をビジネスで解決していく社会起業家は、ビジネスはもちろん、ボランタリー経済の活用、地域社会への貢献などなど、多様な活動を通して事業領域を広げ、より良い社会づくりに貢献しています。

つまり、幅広い領域で色々な活動を同時並行で進めなくてはいけない社会起業家こそ、女性が目指すべき働き方の一つになると私は確信しています。

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
京都大学理学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)入行。米国カーネギーメロン大学にて MBA 取得後、銀行でのALM業務に従事。その後、起業支援等を経て、新銀行東京設立プロジェクトに草創期より参画し、人事部門責任者として銀行立ち上げに大きく貢献。現在は、リソウル㈱を設立し、経営支援、転職支援等に取り組む。2010年4月社会起業家育成に特化したビジネススクール「社会起業大学」設立。2013年4月多摩大学大学院客員教授に就任。

2014年12月24日(水)11:00

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑