今ではもっと幅広い視野で捉えられており、まさしく「企業戦略」として考えられています。つまり、「多様な人材を取り込み、その人材が能力を最大限に発揮できることにより、企業も社会から正当な評価を受ける」という風土構築をすることが、経営上の重要課題になったのです。
今、日本では、超少子高齢化を迎え、それに伴う労働人口の減少という、国家でも経験の無い状況に直面しています。労働人口が減少するということは、より人的生産性をあげる必要があります。
例えば、一人ひとりの従業員が能力を最大限に発揮できる組織のバックアップはもちろん、家事に専念している女性をビジネスパーソンとして活用することや、定年退職者を再雇用することが挙げられます。ほかにも、障がい者や外国人の能力及び労働力を活かすことや、正社員ばかりでなく非正規社員にも権限を与える、など人材を多様化する施策を講じるのは早急に取り組むべき課題といえます。
言い換えれば、性別・年齢・国籍・雇用形態を問わず、すべての人材が最大限の力を発揮するような環境を提供し、組織の力を高める努力を怠っている企業は、将来の存続が危ういといって過言ではありません。
多様な障がいにマッチした働き方や事業分野を開拓する、と謳うANAウィングフェローズ・ヴイ王子は、もちろん障がい者雇用だけではなく、そのキャリアパスや研修にも力を入れています。今後、成功事例やロールモデルとして、旗手を振ってくれるのであれば、ANAグループの企業戦略の成功例にもなることでしょう。そしてそれらが、真の社会への寄与を成すことへ、注視していきたいです。