「アップル史上最大かつ大胆な」プロジェクトのきっかけは、グリーンピース[佐藤 潤一]

佐藤 潤一
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン 事務局長

この「iPod」設置と同時に世界各国のApple前でもいろいろなデモンストレーションが行われ、このニュースはソーシャルメディアを中心に瞬く間に広がった。結局、アップルは、全米4ヶ所にあるデータセンター全ての電力を再生可能エネルギーで調達する方針を宣言する。

今回の「アップル史上最大かつ大胆」なプロジェクトは、2012年に始まったアップルの挑戦を具体化するものなのだ。アップル以外でも、GoogleやFacebookが、グリーンピースの働きかけで自然エネルギー導入を開始したのは、前回の記事でも紹介した。

■ 「創造的対立」で大きく変わったWeb・IT業界の電源責任

数年前まで、アップル、フェイスブック、GoogleなどのIT企業は、データセンターなどで使用する大量の電力について全く無関心で、温室効果ガスを排出する石炭火力が電力源であることがほとんどだった。しかし、グリーンピースの「過激」だと思える抗議活動からヒントを得て、ビジネス化していくその姿勢には共感する。

ようするに、グリーンピースの「過激」な抗議活動はビジネスチャンスだったのだ。

グリーンピースの手法は、環境配慮が足りない企業や政府との対立構造を作り出し、社会に議論を巻き起こし、そこから新たな社会価値を創造することだ。グリーンピースはその手法を「創造的対立」と呼んでいる。

経済用語の「創造的破壊」と似ているが、新しい価値を創造するためには、「対立」も必要ということだ。よく誤解されるが「対立のための対立」では決してない。

常日頃の議論でも、異なる意見を健全にぶつかり合わせることで、良い結果に結びつくと言われる。このような創造的な対立は「企業とNGOの協働」の進化形の一つだと思う。

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佐藤 潤一
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン 事務局長
2001 年よりグリーンピース・ジャパンのスタッフとなり、ごみ問題・海洋問題などに取り組む。2008年に日本の調査捕鯨事業における不正を刑事告発、その後水産庁が不正を認め謝罪するが、証拠の入手方法をめぐって有罪判決を受ける。それ以降、NGOや市民による「不正を追及する権利」「知る権利」を実現する活動も続ける。企業に対しても積極的に環境保護を訴え、2013年にはユニクロと有害化学物質の使用全廃の合意を実現した。

2015年2月25日(水)13:49

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