「社員をコンサートに行かせよう」パタゴニア創業者から学ぶ[三浦 光仁]

パタゴニアのプロモーション活動には3つの指針があると言います。 1つめはプロモーションするよりも人々を啓蒙すること。2つめは、信用は買うのではなく勝ち取る。最も望ましい媒体は、友人どうしの口コミによる推薦あるいは出版物における好意的な意見だということ。3つめが、広告は最後の手段と心得ることです。

私たちエムズシステムも全く同じ考え方をしています。このスピーカーは基本的に口コミによって広がっています。マスコミに登場する場合も、広告は一切打っておらず、専らパブリシティー「出版物など媒体における好意的意見」によります。自らが声高に製品をアピールするより、第三者が客観的にエムズのスピーカーを評価してくれることが真実なのです。

わたしもシュイナード氏に習い、「社員をコンサートに行かせよう」と思います。彼のコンセプトに共感したのはもちろんですが、エムズシステムは創業時から社員をコンサートに行かせよう、としてきました。

正確に言うと、コンサートを観に行く、聞きに行くのではなく、コンサートの出演者としてコンサートに参加できるよう応援してきています。パタゴニアのように初めからアスリートの囲い込みとして働く環境を整えるというより、私たちの場合はもっと自然発生的に、最初にエムズシステムの入って来た社員がオペラ歌手を目指していたので、それを応援しようということになりました。

続いて入社した社員はロックギタリストでした。彼はいま営業職に就いており、また別の社員は検音、品質検査という業務に就きながら歌手を目指しています。スピーカーを製造・販売しているのですから、音楽が好きで音楽の中で生きている人たちがそれぞれの分野でもっと活躍できるようにと考えています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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