「あなたは何も悪くない」、拉致・性被害体験を映画化した【ら】

水井さんは女優業を中心に、10年以上映画の仕事に携わってきた。

「映画を撮れる状況が来た時に、自分の中でまとまっていてすぐ撮れると思ったのがこのテーマ。この映画で伝えたいのは、『犯罪はダメ』ということ。全ての加害者になりうる人に見てもらいたい。それと、被害者になってしまった人へ『あなたはなにも悪くない』ということ」

「犯人役の小場さんはイケメンだけれど、私が実際に被害にあったのも、20代前半で身長の高い、ニコニコしたら誰とでも友達になれそうな人。中年のいかにもモテなさそうなオヤジとかじゃなく、どこにでもいそうな。そういうことも証明したかった」

水井さんは解放された翌日、警察に連絡したが、所轄の違いでたらい回しにされ、実際に警察署に行けたのは3カ月後。心療内科でも事実を信じてもらえずショックを受けた。

その間、犯人は犯行を繰り返し、水井さんは「私が現行犯逮捕していれば」「もっと早く動けていれば」と自分を責め続けていた。

予告編のラストには「その被害を訴えでない者も 被害を忘れなさいと諭す者も 被害の発生を知らない者も 現行法の生易しさも みんな性犯罪者の味方だ」という水井さんの言葉がある。

本編を見た後、上記の意味をあらためて考える。この映画は被害者と加害者、そしてその周囲で暮らす人たち全員にメッセージを投げかけているのかもしれない。

【ら】公式サイト http://www.mmizui.com/ra/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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