(4)経験値と報酬のバランスを図る
ファンドレイザーとして何年間の経験を持っている必要があるかを明確に述べたうえで、求める経験値と支払える報酬のバランスを考える必要があります。トレーニングや教育の機会を提供できる場合は、ハードワーカーで情熱を持っていれば、経験が浅い若者でも問題ありません。一方、豊富な経験を持ったファンドレイザーを採用するには、団体として提供できる報酬・待遇を考慮に入れなければならないでしょう。
(5)既存のリソースをうまく活用する
まずはインターネットで、自団体と同じような活動を行っている団体や同じ地域で活動している団体がどのような職務規定を記載しているかを調査する。また、LinkedInやAssociation of Fundraising Professionals、Idealist、Chronicle of Philanthropyなどで提供されている職務規定の雛形を参考にしながら、団体独自のものへと改訂していく。
こうしてみると、職務記述書は、単に申請者が必要な情報を提供すれば良いというレベルのものではないことが分かります。つまり、団体が今後どこへ向かうのかを組織全体で合意し、既存のスタッフやボランティアの職務内容や役割も合わせて見直す必要があるということです。
日頃、NPOの求人情報を目にするなかで、一方的に採用する側が求めているもの、期待しているものをいくつも羅列しているだけのものを見かけます。採用側としては、なるべく入職してもらった後の双方の意識のズレをなくしたいという思いなのでしょうが、その点で既にズレているということに気づいてないように見受けられます。
A4サイズ1枚以内の限られた文量のなかで、潜在的な候補者に対して、団体やポジションの魅力のエッセンスを伝えなければならないため、非常に高度なライティング・テクニックが必要です。採用に関わる担当者(マネジャー)は、常日頃から、営利・非営利の業界を問わず広く情報を集め、職務記述書の作成スキルをブラッシュアップしていかなければなりませんね。