「ベースロードは時代遅れ、自然エネルギーが現実的」識者が提起

■自然エネ「30%以上目指すべき」

そこで大野氏は「自然エネルギーの普及拡大こそが現実的だ」と主張。30年時点での自然エネルギーの導入目標を、少なくとも30%以上とするべきだと提案する。

大野輝之氏(自然エネルギー財団のサイトから引用)
大野輝之氏(自然エネルギー財団のサイトから引用)

シナリオの根拠として大野氏が挙げたのは「13年度から10%程度の省エネを達成すれば、3千億キロワット時の自然エネルギー発電量で導入比率30%以上が達成できる」「14年度の自然エネルギー導入比率は前年度比で1.5ポイント程度増加見込み。このペースを維持すれば今後15年で22.5%の上積みが可能」との試算だ。

自然エネルギーは急速に導入量を拡大することが可能だ。ドイツは今でこそ3割近い導入量を達成しているが、2000年時点では6.2%だった。また、陸上風力では発電コストが既存のエネルギーと同等以下となる「グリッド・パリティ」の達成も近い。米国エネルギー省は3月、50年までに風力だけで発電比率の35%を占めることが可能とする報告書を示した。

「高い導入目標を掲げ、しかも送電網運営の改善や規制改革を行うことで、民間の積極的な投資を可能とすべき」と大野氏。自然エネルギー導入拡大への決断が遅れれば遅れるほど、日本は原発再稼動と石炭火力増強という「非現実的」な選択肢を取らざるを得なくなる。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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