辺野古の現状描く映画「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」、23日から都内で緊急先行上映

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三上智恵監督の最新ドキュメンタリー映画「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」(2015年、129分)が23日から東京・東中野のポレポレ東中野で公開される。沖縄・辺野古で国が進める米海兵隊新基地建設の実態を、沖縄の視点で記録した作品だ。本来ならば7月封切りだが、国が夏の本体工事着工をほのめかす中、緊急先行上映が決まった。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■沖縄を切り捨てる「積極的平和主義」

(c) 2015『戦場ぬ止み』製作委員会

(c) 2015『戦場ぬ止み』製作委員会

国が辺野古に建設を計画する新基地は「普天間の代替施設」とされる。ところが実態は、オスプレイが100機駐留し、岸壁には大型揚陸艦の接岸が可能だ。さらにキャンプ・シュワブの弾薬庫も隣接。普天間よりも基地機能が強化され、米海兵隊の新たな出撃地として使われる。

つまり新基地建設は、すでに在日米軍基地の7割を押し付けられている沖縄が、これからも「戦争の輸出拠点」となることを意味する。

沖縄戦で多くの県民が犠牲となり、さらに「銃剣とブルドーザー」で奪われた土地に基地が作られた歴史を持つ沖縄にとって、それが苦痛でないはずがない。沖縄は、自ら基地を差し出したことはない。しかし今、私たちが住む本土の「安全・安心」のために基地が作られようとしている。それは本土決戦への時間稼ぎとして捨て駒にされた沖縄の過去にぴたりと重なる。「沖縄は再び戦場となった」のだ。

(c) 2015『戦場ぬ止み』製作委員会

(c) 2015『戦場ぬ止み』製作委員会

海上での抗議に参加し続ける若者は「今まで反基地運動は本土の人がやってきて騒いでいるんだろうと思ったが、考えが変わった」。血で赤く染まった水を飲み、沖縄戦を生き延びたオバァが工事車両に立ちふさがる。ジュゴンが住むサンゴの海に巨大なコンクリートブロックが沈められる様子を、若い女性は抗議船から涙ながらに見届けるしかできない。

作品には建設反対運動を嫌悪する辺野古の漁師も登場する。翁長雄志・沖縄県知事が当選し、衆院選でも基地反対派が軒並み当選した昨年の大晦日、漁師は反対派のテントに刺身の盛大な船盛りを届けた。三上監督は「漁業補償費を受け取り、表立って反対とは言えない漁民の気持ち。基地がなければそれに越したことはない」と、その複雑な心中を推し量る。

(c) 2015『戦場ぬ止み』製作委員会

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17日には、辺野古の新基地建設に反対する沖縄県民大会が那覇市内で開かれた。3万5千人(主催者発表)が集まった会場で、翁長知事が「自国民に自由と人権、民主主義を保障できない国が、世界の国々とその価値観を共有できるのか」と訴えると、大きな拍手がわき起こった。

元はと言えば翁長知事は、自民党に籍を置いていた保守政治家だ。その翁長氏をして「うちなーんちゅ、うしぇーてぇー、ないびらんどー(沖縄人をないがしろにしてはいけませんよ)」と言わしめるのが、今の日本である。本作品もまた「沖縄を無視して、何が『積極的平和主義』か」と問いかけている。

映画「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」公式サイト

2015年5月18日(月)17:28

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