社会課題を自分事化し、行動起こす「グローバル・リーダー」とは[大石 俊輔]

当協会が5月15日に発売した、『社会に貢献する Youth Philanthropy in Global Community』(日本ファンドレイジング協会、540円)では、このような、社会貢献について国際社会でも通用する柔軟で幅広い考え方を紹介し、ワークショップなどを通して理解を深める内容になっています。

本書は、ショートストーリーで身近な社会課題を考えることで社会の様々な課題を自分事として捉えるところから始まります(第1章)。

ショートストーリー:
「大雨警報が出て、僕は両親と学校の体育館へ避難した。……家の周辺では土砂崩れが起きていた。避難勧告が解除された後、父さんと様子を見に行った。…僕らの家がない。その隣の家もそのまた隣の家も、そっくりそのままなくなっている。……僕の大切にしていたものも全部埋もれてしまった。」

クエスチョン:「このような人が側にいたら、あなたは何ができるか考えてみましょう。」
 そこから、共助(お互いに助け合うこと)の大切さを学び、ボランティア、企業の社会貢献、寄付など様々な共助の形があることを理解します。そして、共助の重要なプレーヤーとしてNPOの活動など知り、「小さなことでも行動してみる」ことから、どんな大きな社会貢献もはじまっているということに気づくことになるのです。

第1章でショートストーリーを軸に社会課題について考えるワークを行い、支援の形の全体像へと展開する第2章へと続きます。第3章では実際のNPOの取り組みや行動の方法を紹介して実践につなげる内容になっています。総合的な学習の時間や社会科の副読本としての活用も想定したつくりになっているため、中学生2年生を主な読者として想定していますが、大人でもなるほど!と気づき学べる構成です。

◆『社会に貢献する -Youth Philanthropy in Global Community』(日本ファンドレイジング協会、540円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4907431031/

[本書への学校教員からの期待]
本書の最大の特徴は、社会貢献には「ボランティア」と「寄付」の二つの軸があるということを丁寧にそしてわかりやすく学ぶことができるということだと思います。生徒は、自分や家族にもありえる身近な社会的課題を導入として、”社会貢献する”ということを無理なくポジティブにとらえられるでしょう。生徒が主体的に取り組みやすいワークショップスタイルだと思います。
東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭

uomasa

鵜尾 雅隆(日本ファンドレイジング協会代表理事)

連載:社会イノベーションとお金の新しい関係 日本ファンドレイジング協会代表理事。国際協力機構、外務省、米国NPOを経て、ファンドレイジング戦略コンサルティング会社ファンドレックス創業。寄付、社会的投資の進む社会を目指して日本ファンドレイジング協会を創設。著書に『ファンドレイジングが社会を変える』など。

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