クジラを巡る世界的論争描く、本格ドキュメンタリー

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「憶測や感情で語られがちなクジラやイルカの問題について、映画を通して健全な対話が生まれることを望む」と佐々木監督は話す

「憶測や感情で語られがちなクジラやイルカの問題について、映画を通して健全な対話が生まれることを望む」と佐々木監督は話す

日本の調査捕鯨に対する世界の目は厳しい。クジラは、知能の高い生き物であり、絶滅危惧種なのに、なぜ、捕鯨を続けるのかと。
さらに、2010年、紀伊半島南端に位置し、古式捕鯨発祥の地として知られる人口3300人の町、和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に描いた「ザ・コーヴ」がアカデミー賞を受賞したのをきっかけに、世界中から非難が集中した。この問題を深く掘り下げるドキュメンタリー映画の製作が進行中だ。(オルタナ編集委員=高馬卓史)

なぜ日本は捕鯨を続け、世界の非難を浴びるのか。

たしかに、クジラもイルカも知能が高いといわれ、特にイルカは人間への親愛の情も見せてくれる。だからこそ、「ザ・コ―ブ」でのイルカの血で真っ赤に染まった海辺のシーンは強烈だった。

翌年のイルカ漁開始の時期には、環境保護団体を始め、多くの外国人が、漁を阻止するために太地町に集結し、地元民と一髪触発の緊張関係が走った。今も、その緊張関係は続いている。

この捕鯨とイルカ漁に焦点を当てたドキュメンタリー映画に挑戦するのは、2008年、つつましい収入ながら世界屈指のアートコレクションを築いたニューヨークの公務員夫妻を描いた「ハーブ & ドロシー」で監督デビューした佐々木芽生監督。

「日本人として、捕鯨現場の真実や従事者の思いを正しく伝えたい。一方的な視点から、偏見と誤解に満ちた『ザ・コーヴ』を見た時、大きな危機感を抱いた。クジラやイルカという特定の動物を巡って、人々の憎しみや対立が深まり、非難の矛先が日本に向けられている。とても微妙なテーマだが、日本人監督として世界へ向けて発信しないと、この状況はエスカレートする一方ではないか。そう思って映画を撮ることにした」と監督は語る。

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2015年6月15日(月)12:42

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