「お情け」からいかに脱却するか[田中 勇一]

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
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田中勇一2

社会貢献活動をしていく上で重要なのが、提供するものやサービスの質に気を配ることです。誰かを救うことに意識が集中しがちですが、消費者の目線も忘れてはいけません。これは意義のある活動だから、と「お情け」に頼っていると事業化は難しくなります。社会貢献活動を付加価値として生かすため、製品の質を高めることが重要です。(社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役=田中勇一)

昨年参加したカンボジア支援に関連したセミナーで、色鮮やかな小銭入れが販売されていました。明るいデザインは気に入ったのですが、普段持ち歩くことを考えると買えないなと思っていました。ですが、「これは貧しい地域に住む女性が一生懸命心を込めて作ったものです」という言葉に心を打たれ、思わず買ってしまいました。しかし、そこで買った小銭入れ、実はその後使うことは一度もなく、今も机の中で眠っています。

普段、自分がお金を使うもの、食べ物や飲み物、洋服や小物、本や雑誌、音楽や余暇の遊びなどは、自分にとって必要なものやどうしても欲しいものになります。小物を買うにしても、使いやすさだけでなくデザインも重要で、いくつかの小物を見比べた上で購入すると思います。

つまり、モノやサービスを購入する際には、その販売価格に見合ったモノかどうかをじっくりと見極めた上で購入を決めることになります。素晴らしい社会貢献活動をしているにもかかわらず、なかなか事業化できない方は、この消費者の視点を忘れてしまっているのかもしれません。

■「必要なモノ」に昇華する

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田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
京都大学理学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)入行。米国カーネギーメロン大学にて MBA 取得後、銀行でのALM業務に従事。その後、起業支援等を経て、新銀行東京設立プロジェクトに草創期より参画し、人事部門責任者として銀行立ち上げに大きく貢献。現在は、リソウル㈱を設立し、経営支援、転職支援等に取り組む。2010年4月社会起業家育成に特化したビジネススクール「社会起業大学」設立。2013年4月多摩大学大学院客員教授に就任。

2015年7月15日(水)10:09

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