過去の体験を糧に「今の自分」を輝かせよ[田中 勇一]

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
このエントリーをはてなブックマークに追加

田中勇一2

社会起業家として事業を生み出すときに大切なことは、「過去の体験に良い意味を見出すこと」と、「今を輝かせること」です。過去の辛い原体験を後悔していては、良いビジネスは生まれません。辛い過去の出来事にも良いイメージをもつことができれば自分の自信になります。また、今の自分を一生懸命磨くことで、過去も現在の自分も輝かせることができ、それが新しい事業の実現にもつながるのです。(社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役=田中勇一)

社会起業家を目指す人の中には、「精神障がい者を支援したい」、「児童養護施設の子どもたちを支援したい」、「DV被害にあった女性を支援したい」など、社会的な弱者を支援したいという思いを持った人が多くいます。

そういう方々の話を聞いて、思いの強さに感心するのですが、同時に、その方ご自身が「かつては自分自身が社会的弱者であった」ということに気付くことがあります。

実現したい事業の話を掘り下げていくと「過去の辛かったことを思い起こしたときに、『こんなサービスがあったら良かった』と思うので、この事業を考えた」というのです。

確かに、事業を考える際に自分の体験も必要な材料にはなり得ます。しかしビジネスとは、自分以外の顧客に対してモノやサービスを提供し、その対価としてのお金を得るというものなので、過去の自分を対象にしている限り、なかなか事業化のめどが付けられないのです。

社会起業大学でも、「自分を救いたいのか、人を救いたいのか」という言葉が一時流行しました。過去の自分を救おうとしている事業計画の具現化は難しいのが現実です。

では、過去に辛い原体験を持っている方々が、どうやったらその経験を生かして実現可能な事業を立ち上げることができるようになるのでしょうか。

その具体的な方法が、「過去の体験に良い意味を見出す」ことであり、「今を輝かせること」です。

■辛い体験から意味を見出す

ページ: 1 2

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
京都大学理学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)入行。米国カーネギーメロン大学にて MBA 取得後、銀行でのALM業務に従事。その後、起業支援等を経て、新銀行東京設立プロジェクトに草創期より参画し、人事部門責任者として銀行立ち上げに大きく貢献。現在は、リソウル㈱を設立し、経営支援、転職支援等に取り組む。2010年4月社会起業家育成に特化したビジネススクール「社会起業大学」設立。2013年4月多摩大学大学院客員教授に就任。

2015年8月1日(土)11:00

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑