当事者が作る「摂食障害を見つめ直すスタディツアー」

大学院時に、千代田区・科学技術館でボランティアしたことをきっかけに「キッチンの科学プロジェクト」を発足した。

金子さんは言う。「塾でバイトしていた時、小学生たちが皆カップラーメンを食べてた。聞くと『お母さんが来る途中で買ってよこした』もので『おにぎりとか作ってくれるわけない』と。教育ママといっても食に関心がなく、残念で仕方なかった。その一方で、自分も痩せるなら大学で得た理系の知識を使えばよかったのに、マスコミのダイエット情報に流されていた。子どもたちには自分で食を身につける力を持ってもらいたいという思いもあった」

今回のツアーを考える時に「誰のための企画か」に悩んだ。「摂食障害を抱えながら社会人やるってけっこうしんどい。ちょっとしたミスでも『やっぱり私はダメだ』と落ち込んだり、怒られると食べ物に逃げたくなる。本当に回復するのか不安で夜になると過食する時も。社会と病気の両立をしながらがんばっている仲間たちが集まる場が限られていると、ふと気づいた」

3年前、友人同士でのホームパーティーに参加すると、料理を任された。「おいしいね」とほめてもらえたり、みんなで少しずつ作ったり。そんな場が楽しかった。

「摂食障害を通じて、私は食を憎んできた。今でも、私は気の合わない人と食べるのは苦手。でもそのホームパーティーは、私に食へのプラスの側面を教えてくれた」

アメリカでは治療プラグラムの一つとしてミールレッスンが確立されているという。「私自身、本当にひどい所から回復しようとするとき『吐かないで食べること』は回復には避けて通れないことだと思う。ツアーは若干名余裕があり、迷われてる方や、ちょっとでも興味のある方は金子まで問い合わせをください」(金子さん)

◆ツアー詳細 https://traveltheproblem.com/tours/121
◆「キッチンの科学プロジェクト」http://ameblo.jp/kkp2013
◆金子さんのブログ 「続・ころいどの挑戦~夢~」 http://colloid1989.blog.fc2.com/
◆金子さん問い合わせ kaneko.hiroko93(a)gmail.com

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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