「やむにやまれぬ思い」がイノベーションを起こす[田中 勇一]

田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役

■本当に追い込まれているか

こう考えると、物質的に豊かになった現在、本当の意味で追い詰めるものがない状況であるために、イノベーションが起こりにくいということが理解できると思います。
 
地球の温暖化など環境問題が待ったなしになっているではないか、という方もいるかもしれません。ただし、明治維新を起こした志士たちのように本当の意味で追い込まれているかというと、必ずしもそうではないでしょう。きっと、本当に追い込まれていれば、もっとたくさんの人が行動し、多くのイノベーションが起こっているはずです。

では、どのようにイノベーションを起こせるのか。ここで焦点をあてるべきは、個々人にある「やむにやまれぬ思い」です。

「やむにやまれぬ思い」を持つと、どんな厳しい環境も乗り越えていきます。そう、この「やむにやまれぬ思い」こそ、イノベーションを起こせる環境にまで自分を追い込んでいくものなのです。
 
貧しい人にもビジネスに挑戦する機会を提供したい、と立ち上がったグラミン銀行創業者のムハマド・ユヌスさんのように、何とか上勝町を豊かにしたいと葉っぱビジネスをつくり上げた横石知二さんのように、その「やむにやまれぬ思い」が、見事なイノベーションを生み出しました。 
 
人それぞれが持っている「やむにやまれぬ思い」を引き出し、行動に移させていくことが、イノベーションに溢れた社会をつくることにつながります。社会起業大学もまた、そういう場になれるよう日々研鑽しています。

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田中勇一
社会起業大学学長・リソウル株式会社代表取締役
京都大学理学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)入行。米国カーネギーメロン大学にて MBA 取得後、銀行でのALM業務に従事。その後、起業支援等を経て、新銀行東京設立プロジェクトに草創期より参画し、人事部門責任者として銀行立ち上げに大きく貢献。現在は、リソウル㈱を設立し、経営支援、転職支援等に取り組む。2010年4月社会起業家育成に特化したビジネススクール「社会起業大学」設立。2013年4月多摩大学大学院客員教授に就任。

2015年8月15日(土)13:22

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