■億万長者も自然エネルギーに注目
ところで、このエネルギー転換を絶好の投資機会と捉えているのが、ウォーレン・バフェットなどの有力な投資家だ。バフェットは、14年までに自然エネルギーに150億ドル(1.8兆円余)を投資しているという。本書はこうした傾向を「エネルギー転換にとって頼もしい推進力となっている」(182頁)と評価する。
一方、化石燃料産業を投資先とすることは気候変動を加速するとして、投資の引き上げを求める社会運動も始まっている。米スタンフォード大は14年5月、多額の資金を持つ大学で先駆けて「石炭企業株を全て売却する」と表明した。
自然エネルギーは地産地消する地域が出資することで、より多くの利益が地域内にとどまるのは言うまでもない。しかし巨万の資金が動く投資市場でも、「グリーンな変化」は起きているのである。
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