■ 職場以外のチャレンジが成長に
トークセッションでは、サポートプロジェクトへ取り組む社会人と、支援先のNPOスタッフらが登壇した。
メーカーで働きながらサポートプロジェクトに参加する加賀宝さんは仕事のあとや休日など空いた時間を活用し、毎週5時間くらいを費やしている。
このプロジェクトに参加して変わったことは、「世の中変えられるかもしれない、と思えるようになったこと」だと言う。
児童養護施設の運営資金調達プロジェクトに参加した安東直美さんは、「仕事とは違う場でチャレンジができて、自分を知り、自分の強みを知ることができた」と話す。
一方、支援先となるNPO法人バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センター(東京・大田)の玉田さとみさんは、「期待していることはスキルではなく、一緒に考えてくれること。全く違う価値観を持つ人たちからは、自分たちにはない新しい発想が生まれる」と説明する。
サポートメンバーのアイデアから新しい企画がはじまった例もある。高校生のろう者の現状を伝えるため、クラウドファウンディングを資金源にドキュメンタリー映画を作成する企画だ。
「私たちは車、社会人メンバーはガソリンのような存在です。彼らのエネルギーを借りることで、自分たちが走ることができる」(玉田さん)
サポート先のNPOスタッフと直接話をする機会もあり、参加者は熱心に説明を聞きながらメモを取り、興味のある団体とは名刺交換も行っていた。今回のイベントを機に、2枚の名刺を持つ働き方はますます広がっていくだろう。