『協創力が稼ぐ時代』――ビジネス思考の日本創生・地方創生[笹谷 秀光]

■「全国津々浦々からのクールジャパン」

よく見ると、本書でご紹介した、富士山から始まり、北海道ニセコのスキー場、岩手県の自動車、長野県の山岳、兵庫県淡路市のおむすび、香川県丸亀市の骨付鳥、愛媛県今治市のタオル、福井県鯖江市の眼鏡、広島県の熊野筆、JR九州の電車、そして東京のスカイツリーまで、本書の事例の数々をわかりやすい「アイコン」で表現していただきました。

小浜市いづみ町の商店街にある鯖街道。ここは通学路にもなっている(筆者写真)
小浜市いづみ町の商店街にある鯖街道。ここは通学路にもなっている(筆者写真)

また、「発信型三方よし」がテーマですので、それぞれの地域から発信を感じさせる点線が「世界」に向かっています。

政府の「まち・ひと・しごと総合戦略」において、「ローカル版クールジャパンの推進」が一つの柱になっています。具体的には、観光における広域観光周遊ルートの形成、地域資源を活用した「ふるさと名物」「地域ブランド」の確立などが挙げられています。

しかし、ちょっと待ってください。「ローカル版」という言い方が気になります。これでは、中央または全国区のクールジャパンに付属して、というニュアンスです。しかし、本当にクールなモノやコトは、全国区や東京にももちろんありますが、実は地方にあることが多いのです。

また、地方に行かなければめぐり会えないものがたくさんあります。ですから「ローカル版」ではなく、「全国津々浦々からのクールジャパン」というべきでしょう。日本全国にクールジャパンの「ネタ」があります。
 
■「協創力が稼ぐ時代」の「ストーリー」

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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