「エコシステム」が生み出すカリスマ・ワイン――ワイン大国フランスのオルタナティブなワイン作り(2)

■祖父の畑仕事を見て覚えたバイオダイナミック農業

最近人気が高まり、前回のコラムで紹介したように最高級ワインの生産会社が取り組み始めているバイオダイナミック農法については、「複合農業、天体暦に添った農事や薬草の調合剤の利用など、実践的なことは祖父がやっていたことと全く同じ」とさり気無く言うランドリー氏。

子どもの頃、幼稚園に行く代わりに祖父のぶどう畑の仕事を見て身につけたことを実践しているという。

草原に放し飼いにされた牛たち
草原に放し飼いにされた牛たち

一房ずつ手で収穫されるぶどうは、各品種の特徴に合わせてそれぞれ異なる手法で自然醸造され、ランドリー氏が自分で見つけた楢の木を年に半日だけの特殊な月の位相の時間に伐採して作る特殊な樽で熟成される。

このような丁寧に作られる一種類だけの赤ワイン「シャトー・デ・グラヴィエ」は、生産元出荷価格で、20ユーロ(約2660円/消費税込み)。毎年新酒の瓶詰めが完了すると、個人の常連客、パリのトレンディーなワインバー、世界のバイヤーなどが、密かに購入して、完売しているようだ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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