SDGs(持続可能な開発目標)達成へ、日本企業も動く

■共通仕様の「SAQ(自己チェックシート)」策定へ

企業による人権侵害や環境破壊は、ブランド価値の低下や事業停止に直結する。サプライチェーンがグローバル規模となる中、その影響は大きい。自動車メーカーのスズキのインド法人であるマルチ・スズキでは2012年、劣悪な労働環境への労働者の不満が爆発し、大規模な暴動に発展。同社の株価は下がり、工場は1ヶ月の操業停止に追い込まれた。

この他にもグローバル企業の人権侵害は枚挙にいとまがない。ベターワークは企業活動の一環として人権や環境などの課題に取り組むことで、企業価値を高め、事業活動の成長を図る取り組みと言える。「これからはSDGsなどで示されている国際公益に、企業益や国益を適合させる必要がある」と浦元氏は話した。

GCNJは現在、企業の取引先にCSRの遵守を求める「CSR調達」の一環として、「SAQ(自己チェックシート)」の共通化を目指している。SAQとは、CSRの遵守状況について答えるアンケートのこと。ところが現在、SAQの仕様は業界ごとに定められており、さながら「乱立状態」。中には400個もの質問が設けられたSAQもあり、企業にとっては回答するだけでも大きな負担となっているという。

そこでGCNJでは質問項目を50個程度に抑えた「共通SAQ」を構想。回答結果はデータベース化し、公開も視野に入れる。今年度中の発表を目指すとしている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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