編集長コラム)アイデアソンにCSV(共通価値の創造)の神髄を見た

参加者は企業のCSR担当者3分の1、そのほかのビジネスパーソンが3分の1、NPOや学生さんが3分の1という構成でした。とてもダイバーシティ(多様性)に優れた構成で、ふだんはあまり話す機会がない人たち同士が、真剣に意見を出し合いました。

「日本の食品ロスを半分にする」というテーマのもと、集まったアイデア(一部)
「日本の食品ロスを半分にする」というテーマのもと、集まったアイデア(一部)

最後は、6つのグループが全体発表をして、さらに意見を出し合っていきます。「週1回は冷蔵庫を点検する」「そのために食品を冷蔵庫内POS管理する」「賞味期限が近付くと、本人のスマホにアラートが出るようにする」など、興味深いアイデアがたくさん出てきました。

筆者はこのイベントのファシリテーターをしていましたが、参加者たちから山のようにアイデアが出る様子を見て、これこそが「CSV」(共通価値の創造)の神髄だと感じました。

CSVといっても、担当者や社内調整によるアイデアや構想だけをベースにしているのであれば、それは真の「共通価値」とは言えません。このCSRアイデアソンのように、多彩な経歴を持つ人たちが1つのテーブルに集まり、アイデアの出し合いや議論をすることが大事ではないでしょうか。

このイベントに関わり始めて2年近く経ちますが、昨日のアイデアソンはこれまでになく充実していました。また、アイデアソンやCSVをうまく回すために最も重要なことは、「お題」「テーマ性」であり、その巧拙が全体の出来を左右することが経験的に分かりました。今後の展開が楽しみです。(オルタナ編集長 森 摂)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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