同団体の高濱宏至代表によれば、途上国の貧困地域でもICT機器による教育ニーズは高いそうだ。文書作成や表計算、インターネットによる情報収集や発信といったスキルを身に付けることが、仕事の獲得に直結する。パソコンを利用できる・できないという格差が、信じられないほどの所得格差に繋がっていくのだ。
そこでC4Eは、単に物品を送るだけでなく、さまざまな団体と連携して、操作方法のレクチャーやビデオ授業の放送といったICT教育を推進している。
■社員を巻き込むCSR
C4Eは、2012年2月に創業して以来、アジア・アフリカ16カ国72地域の学校や教育団体にパソコンを届けてきた。2014年度は、大手機械メーカーや情報処理サービス事業者、大学、あるいは個人から約800台のパソコンを引き取り、集めた活動資金は約1千万円に上った。
企業側が彼らのサービスを使うメリットは、一定の周期で必要となる「パソコンの廃棄」が、「途上国への教育貢献」というCSR活動として示せることだ。
また、C4Eは、社員を巻き込んだリユースイベントやボランティアツアーも企画している。単に使用済のパソコンを渡しただけでは、本当にそれが役に立っているのか実感することは難しい。
自分たちの手でパソコンをリユースして途上国に届け、現地の子どもたちが実際に使っている様子を見に行くことで活動の意義を確かめることができるというわけだ。
高濱代表は現地での活動を重ねる中で、不安定な電力事情にも気付いたと言う。停電が頻発したり、あるいはそもそも電気が供給されていない地域でICT教育を行うことは難しい。そこで今年度から新たに、太陽光パネルのリユースにも取り組んでいく。廃棄されていたICT機器を組み合わせ再利用することで、世界中に平等な機会を生み出していくことが彼らの狙いだ。(日本=瀬戸 義章)
※この記事は、オルタナ41号(2015年6月29日発売)のsocial business around the worldで連載したものを転載しました。オルタナ41号の詳細は⇒ http://www.alterna.co.jp/15290
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