「とにかくスピード感を持って進めた。当社は社会インフラの一つとして、システムを提供しているが、これは50年間ずっとお客様に支えて頂いたおかげでもある。日の丸ブランドとしての誇りを持っている以上、JCBはそういう会社であるべきだと考えた」(青木次長)
カード1回の利用につき1円という仕組みは、加盟店と直接契約している日の丸ブランドのJCBでしかできない方法だという。
支援金を「生きたお金」として使ってもらうためにJCBが連携したのが、公益社団法人日本フィランソロピー協会だ。同協会が事務局となり、被災地支援に活躍する団体を探し、JCBと協議の上、支援金を寄付するという体制だ。
多くの支援金には「産業振興につながる活動のみが対象」「人件費には使用できない」などといった制約があるが、「『5』のつく日。JCBで復興支援」は条件を付けていない。
同協会の高橋陽子理事長は、「現場の人が必要だと思う支援への要望を受け止め、それに真摯に向き合う支援を心がけている。支援金の使途が委ねられているからこそ、きちんと報告するのも私たちやNPOの責任」と話す。
青木次長も「現場が一番大事にしようとしている事に対し、その支えになろうという思いがある。復興支援が長期化するなかで、ソフト面と心のケアに貢献するような活動を支援したかった」と説明する。
2015年度には、障がい児学校でのアートイベントの開催やシングルマザー向けICT教育プログラムの実施、「米崎りんご」の六次産業化支援、交流カフェの整備など、24のさまざまな活動を支援した。
髙橋理事長は、大きな社会的意義がJCBの活動にあると言う。「東北の問題は、日本の誰しもに突きつけられている大きな問題。震災から5年が経過し、企業の支援が減っているなかで、JCBの活動は『何かしたいけど、どうしたらいいか分からない』という人に対するきっかけづくりになっている。それは、企業がお客さんをはじめ、いろいろな関係者をパートナーとして巻き込んで、共により良い社会を築いていくことにつながる」
5月25日までの間、「『5』のつく日(「5日」「15日」「25日」)」にJCBカードを使えば、それだけで1円が復興支援に充てられる。クレジットカードで買い物をするときには、そのことを思い出してほしい。