フォーチュン「世界を変える企業50選」伊藤園が18位

株式会社伊藤園 常務執行役員 笹谷秀光
株式会社伊藤園 常務執行役員 笹谷秀光

米有力ビジネス誌『フォーチュン(FORTUNE)』(※)は2016年9月1日号の特集で「世界を変える企業50社(50 Companies That Are Changing The World)」を発表した。これは事業を通じて社会課題の解決に寄与する企業を世界から選定したものである。日本企業は2社で伊藤園が18位、パナソニックが39位である。今回は、そのご紹介をしたい。(株式会社伊藤園 常務執行役員=笹谷秀光)
※『フォーチュン(FORTUNE)』:全世界に400万人の総読者数を誇る米国最大の英文ビジネス誌

■ 「世界を変える企業50社」
今回の「世界を変える企業50」を見ると、さまざまな世界的な社会・環境課題に本業を通じて貢献している企業を選んでいる。今年で2年目で、選定基準は、測定可能な社会課題へのインパクト、業績、革新の程度の3点だ。

これはかつての慈善活動的(フィランソロプピー的)な企業の社会的責任(CSR)ではなく、本業を使って社会との共有価値を創造する活動に焦点を当てている。共有価値の創造(CSV)として提唱されている方向とも符合するものである(今回の選定の専門アドバイザーの中にハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授も含まれている)。
詳しくは『フォーチュン(FORTUNE)』のサイトをご覧いただきたい。[英語] http://for.tn/2bhiwAg

1位のGlaxoSmithKline(英国)は、低所得国や最貧国で自社製品の特許を申請せずに、アフリカなどで他社が同社の後発医薬品を生産しやすくして現地の医療水準の向上を促す知的財産権に関する戦略の見直しなどが評価されている(世界6位の医薬品企業)。2位から10位の企業名と選定ポイントはリストを参照ありたい。

「世界を変える企業50社」1位~10位の概要
順位 企業名(国) 選定ポイント
1位 GlaxoSmithKline(英国) 本文参照。世界6位の医薬品企業
2位 IDE Technologies(イスラエル) 海水の淡水化で水不足に対処
3位 General Electric(米国) 「エコマジネーション」(「エコロジー」と「エコノミー」、そして「イマジネーション」)による環境技術
4位 Gilead(米国) HIVや肝炎などへの医療領域への挑戦を続けるバイオファーマ企業
5位 Nestle(スイス) 途上国での栄養課題にも対処
6位 NIKE(米国) シューズのリサイクル
7位 Mastercard(米国) 寄付者と支援機関を結ぶデータサービス
8位 United Technologies(米国) 気候変動に配慮したジェットエンジン
9位 Novozymes(デンマーク) 環境にやさしい生産につながる微生物の発見
10位 First Solar(米国) 太陽光発電技術

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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