結束力向上研修、ES組織開発4つのステップ

矢萩大輔
有限会社人事・労務 代表取締役
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<飲食業B社>

健康経営、労働時間の削減の取り組みを掲げ、ES目標面談を導入しました。同業他社では過労死、メンタル不全などの問題がマスコミで取り上げられ、業界全体がブラック企業の温床のように言われ、人材を採用するのも困難な状態に陥っていました。

そこでB社の社長は、ワールドカフェというワークショップ手法を用いて、「2020年のオリンピック終了後、自分たちはどのような生活をしているか?自分がわくわくしたライフスタイルを創っているためには今日から何をすべきか?」といった根源的な問いかけを続け、皆で課題を共有し部門目標に落とし込んでいきました。

そして、以前は社長とスタッフが個別に目標を立てていましたが、スタッフ全員で店舗としての課題を話し合い、問題解決の道筋を個々が3通り以上考えて持ち寄ってミーティングを行い、チーム全体で目標設定をしました。

6人の店舗では18通りの問題解決策が出てくるわけですが、それらの知恵を結集して今期にやるべきことを話し合います。そして、このブレークダウンミーティングでは同時に、担当者と達成基準評価まで決めてしまうのです。

ステップ1の段階で、お互いがどのような思いで仕事を通しての自己の成長、幸せな状態を感じるのか理解できていれば、役割分担は自ずと決まってきます。それらをそのまま目標面談シートに記入します。

また、個々が一週間どのような業務に取り組むのか発表して見える化し、緊急度と重要度で優先順位づけをしながらチーム全体で仕事の棚卸をします。この過程では、誰がどんな状態で仕事をしているのか、自分の仕事がどんな形で周りに影響を与えているのか、自分が代わりにできることはないかなどを共有していきます(ステップ3)。

また、メンバー貢献シートでは、ここまでの取り組みを通して、個々の承認欲求を刺激し、チーム内で互助の精神を育みます。

この会社では、結果として、労働時間を月10時間削減し、生産性は20%増となりました。さらに労働時間を一番削減した店舗を表彰し報酬を出す制度をつくった結果、更なる改善へ結びついていきました。そこから健康志向の新しい店舗をつくり、順調に売り上げも伸ばしているのです。

ES組織開発4つのステップに応じて、「自分ごとからみんな事、そして世間ごと」へと個人の社会性を高めていきます。人が幸福になるための大切な要件の一つに「他者貢献」があるわけですが、ES目標面談は社員一人ひとりの社会性を高め思いを表出させることで互いの貢献意識を刺激し、幸福度を上げていくのです。

21世紀は心の時代といわれています。多様な社会においては、みんな違って良いという考えをもつことです。若者を中心に、働く価値観、ライフスタイルの価値基準がお金やモノからモノ以外へと変わってきています。

弊社の中にも、なるべくお金が必要ない生活をしたいという若手社員も増えてきました。最初はそこに若干の違和感を覚えましたが、今はそういう考え方もあると私自身の認知の幅も拡がったようです。

働く意味が「お金」や「モノ」でないとしたら、一体それは何なのでしょうか?

私たちは今、その“何か”を自分たちで決めなくてはならないのです。ワクワク感や幸福の形、働き甲斐を自分で作る時代、いや、作らなくてはいけない時代とも言えます。

個人の側面からの教育だけでなく、組織開発という視点で人材教育をしていく、つまり内面=意志力を育む教育の必要性がますます高まると考えています。

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矢萩大輔
有限会社人事・労務 代表取締役
1995年、都内最年少26歳で社労士として開業。2008年より「はたらく幸せは、地域の笑顔・日本の元気!」をコンセプトにCSR団体(一社)JESを主催。社員満足×CSRの斬新な組織づくりは、高く評価されている。最近の動向として、ES地域企業プロデューサーとして、地域と共生する企業を増やそう!とひとり社長塾Open Up'sを主催。講演・執筆多数。ソーシャルコンサルティングファームとして注目を集める。

2017年2月24日(金)16:40

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