国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の地球温暖化見通しに誤りが指摘された問題で、外部の専門家によって構成された国連の検証委員会は8月30日、再発防止のため抜本的なIPCCの機構改革が必要だとの勧告を行った。
IPCCをめぐっては、気候変動問題への世界的な関心を高めた2007年の第4次報告書の中で「2035年までにヒマラヤの氷河が消滅する」など大きな反響を呼んだ複数の記述が誤りだったことが判明。国際的な批判が高まったために、国連は今年3月、外部有識者の検証委を設置して調査を要請していた。
勧告は、IPCCは異なる視点に十分な注意を払わなかったなどと問題点を挙げた上で、組織の透明性を高める必要があると指摘したが、温暖化の議論全体については「科学的に信頼できる」としている。(石井孝明)