発達障がい支援を広げるために「まず大人が変わろう」

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特定非営利活動法人アジャスト(愛知県一宮市、清長豊代表理事)は発達障がいのある子どもとその保護者の教育・生活支援を行っている。支援が必要な子どもは日本人だけでなく、外国につながる子どももおり、ホームページは日本語とともにスペイン語で表記している。愛知県と岐阜県で月に約50件を支援する清長理事は、「よく大人は子どもを変えようとしますが、実は大人も変わる必要があります」と周囲の理解が必要だと強調する。(松島 香織)

iPadを使い学習支援をする清長豊理事

発達障がいやその可能性がある子どもは、問題行動や学力不振があると、障がいがあるためでなく、本人の努力不足やしつけの問題だと誤解されてしまうことが多い。見ためは健常発達の子どもと変わらないため、周囲の大人たちが気付きにくいからだ。そのような分かりにくさがあるため、発達障がいの法的位置づけが確立されたのは、2004年12月に「発達障害者支援法」が成立してからだ。

「家庭りょういくSophie」での学習は、教科書とノートと鉛筆を使っているが、視覚的な認識や字を読むことが苦手な子どもには、ICT教材を使っている。プリント教材と違い音が出せ、聴覚で理解しやすい。視覚で理解がしやすい子どもにも、アニメーションや絵が役に立つ。

「『りょういく』には、子どもが抱える難しさをトレーニングして軽減していく『療育』、子どもと周りの大人が一緒に育つ『両育』、療育と両育がなされることでいい教育につながる『良育』の3つの意味をこめています」と清長理事は話す。

「Sophie(ソフィー)」は清長理事が出会った健常発達の外国人の女の子の名前で、難しいことにもどんどんチャレンジしていく姿を見て、頑張る子どもたちをサポートしたいと思ったという。

アジャストで使っているデジタル教材の画面

■家庭での療育にこだわり

発達障がいが原因で学習不振になると進学できない場合があり、成長が遅れている子どものほうが早く社会に出ることになってしまう。

清長理事は「そういう子ほど、さまざまなことを教えていく必要があります」と療育の重要性を訴える。中学校の担当教師に「進学は無理」と言われた子どもに、学習支援し高校へ進学させた。その後もさらに学校と連携を取るなど継続的に支援をしたことで、その子どもは就職を果たしている。

アジャストは、「家庭」で支援することにこだわりを持っている。療育所では、専門家が作りこんだ環境や教材を使い専門的な立場で接するので、子どもは良い姿を見せる。だが、専門家がいない日常生活は整えられた環境でないためうまくいかず、失敗体験となり、親子で自己肯定感が低くなるという。

家庭で支援することで、子どもに適した学習環境をアドバイスしたり、親がリラックスして相談できるなど、様々なメリットが生まれた。

外国につながる子どもの支援は、取り組むべき課題が多岐にわたり、語学など含め専門家が少ない。清長理事は今後、きちんと対応できる療育指導員を育成していきたいと考えているという。

◆特定非営利活動法人アジャスト

2017年9月7日(木)14:47

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