ブラジルは「地球の肺」
次期2014年W杯に向けては、地元メディアは早くも「クリーンW杯」「自然保護W杯」の表現を使い、さまざまなプロジェクトを紹介し始めた。
W杯開催地では今後多くの港、公園、スタジアムなどが建設や改築されるが、これらすべてのプロジェクトの貫くテーマは「エコ」だ。バイオエネルギーを利用した交通機関、リサイクルの計画も進む。
北東部のサウヴァドール市で建て替え予定のスタジアムでは、雨水の再利用、自然光の利用だけでなく、建設資材も古い建築物から再利用される予定だ。
また、現地の台所油をバイオエネルギーにリサイクルする研究も進んでおり、排ガスを60%抑える交通機関も誕生する見通しだ。
では、なぜこれほど「環境対策」が重視されているのか。それは、ブラジルが「地球の肺」とも呼ばれる世界最大の森林地帯「アマゾン」を擁しているからだ。
アマゾンの巨大なCO2吸収機能は地球温暖化などの影響を最も受けやすい。それだけに、ブラジル国内では自然保護に向けた動きが長い年月をかけて浸透してきた。