今となっては虚しく響く神戸製鋼所の「6つの誓い」

2016年4月 神戸製鋼グループ神鋼鋼線工業の子会社、神鋼鋼線ステンレスで工場長が変わった。この工場内での品質会議において、担当者からの報告を受けた新工場長(W常務)がデータの違和感に気付き、担当者を問いただし不正発覚
16年5月 神戸製鋼本社にもこの件が報告される
16年11月 神戸製鋼本社に品質統括室を設置、調査が始まる
17年5月 神戸製鋼本社が「KOBELCOの6つの誓い」を公表
17年8月 神戸製鋼のアルミ工場からアルミ部門管理職に問題報告
17年9月 経済産業省に事実報告、その後、事実を公表

「KOBELCOの6つの誓い」の内容は、CSR専門家の見地から見ても、至って真っ当で、網羅的である。残念なのは、そのタイミングと周知徹底の進捗だった。

同社の広報担当者は「他社さんと同様、通りいっぺんの社内教育、浸透の取り組みは行っていた。社内規範の遵守、社会規範の遵守についても、定期的とは言えないが上長の講話などを通して行っていた。理念の6つの誓いもある。しかし、こうなってしまったからには浸透が徹底していなかったと思う」。

かつて日本では「コンプライアンス=法令遵守」という誤訳が広がり、「法令(だけ)を守ることが大切だ」という誤解が蔓延していた。もうだいぶ減ってはいるが、それでも「コンプライアンス=法令遵守」と答えるビジネスパーソンは少なくない印象だ。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..